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ボイストレーニング

タングトリル(タントリル)のやり方と効果について

投稿日:2017年10月20日 更新日:

今回は「タングトリル・タントリル・巻き舌トレーニング」と呼ばれるボイストレーニングについて掘り下げていきます。

 

このトレーニングは、舌の動きを中心に行われるもので、

  • 舌根をほぐして発声時の力みを取り除く
  • 舌の柔軟性を高めて滑舌を改善する
  • 息と声帯の連動性を高める

などの効果が期待できます。

 

個人的には、このトレーニングは、デメリットも考えにくく、ウォーミングアップにも使える、地味に良いトレーニングなのではないかと思っています。

『タングトリル』とは

「タングトリル(タントリル)」とは、巻き舌の状態を連続的に作りながら声を出すトレーニング方法です。

「タンロール」「巻き舌トレーニング」とも呼ばれています。

 

具体的にはこんなイメージ↓

 

このようにウォーミングアップとして活用しているシンガーもいますね。

 

語源・由来

タングトリルは英語で「tongue-trill」です。

tongueは「舌」、trillは「震える・振動」などを意味します。

 

このtongueの発音記号は「tʌ́ŋ」で、この「ŋ」は舌の奥を使って「ン」と発音するものです。「グ」と言いかけるギリギリのところで止めるイメージですね。

 

なので、どちらかと言えば「タントリル」の方が正しい発音に近いかもしれませんが、「ŋ」の発音は日本語には存在しないので「タングトリル」も間違いとは言えないでしょう。

 

あまり細かいことは気にせずに、ここでは「タングトリル」としておきます。

 

タングトリルの効果・メリット

タングトリルは、以下のような効果が期待できます。

  1. 舌根をほぐし、発声の力みを取る
  2. 発音や滑舌が向上する
  3. 息と声帯のバランスを整える

 

*注意点

ボイストレーニングは、すべての人に同じ効果が出るわけではありません。人それぞれの体や喉の個体差によって、合うトレーニングや合わないトレーニングが存在するため、個人個人が適切な方法を選ぶ必要があります。

 

①舌根をほぐし発声の力みを取る

タングトリルは、発声時における舌や舌根の力みをほぐす効果が期待されます。

 

特に、高音発声時などに現れる舌の硬直や喉を締め付けるような発声において、タングトリルを行うことで、舌をある程度固めた状態で喉が締まる方向とは逆方向に引っ張り上げることができるため、舌根が固まって喉が締まっていくのを防ぐことができます。

舌根部分を固定することで舌根の影響を受けにくくする

舌を起点にして喉に余計な力が入らず締まっていくのを防いでいるのですね。これは、厳密には舌根を「ほぐしている」というよりも、舌根を固定して「声帯と舌根を切り離している」と言えます。

 

ただ、ほぐしていると考えても問題はないでしょう。

 

また、舌を出して発声するトレーニングも似たような効果があると考えられます。

舌根を柔らかくするトレーニング方法について

続きを見る

 

②発音・滑舌が良くなる

タングトリルは、発音や滑舌を向上させる効果が期待できます。

 

舌の動きは発音や滑舌に大きく関わっています。滑「舌」というくらいなので、舌が大事なポイントになっているのですね。

 

つまり、舌の動きが柔軟になることで、滑舌・発音が良くなる、言葉のつながりがスムーズになる、などの効果が生まれ、それが歌にも活かされるでしょう。

 

③息と声帯のバランスを整える

タングトリルは、息と声帯のバランスを整える効果が期待できます。

 

というのも、タングトリルを行うには、息を綺麗に流し続ける必要があります。例えば、息を急激に強くしたり、弱くしたりすると、タングトリルが崩れると思います。

息を一定量流し続けないとタングトリルを維持できない

つまり、タングトリルが上手くできている状態というのは、息がバランスよく流れた発声状態になっていると言えるのですね。

 

こういう点で、息と声帯のバランスを整えたり、息と声帯の連動を身につけるために役立つと考えられます。

 

タングトリルのやり方・練習方法

やり方

「ル」の発音をする直前の口の形を作ります。強めの「ル」をイメージし、舌の裏を上の顎につけるような意識で、口の中で舌を丸めます。 この口と舌の形を保ったまま、声を出してみてください(最初は息だけでもOKです)。 すると、息の力で舌が振動し、「ルルルル」と続けて音が出ます。 舌を口の中で転がすイメージを持つと良いでしょう。

 

舌を高速で振動させる

注意点

過度に力を入れないように気を付けましょう。タングトリルを必死に行おうとして、喉や舌に無理な力が加わることは避けるべきです。最初はうまくできなくても、無理のない力感で行うことが大切です。

 

徐々にコツを掴んでいけば、力を入れずにスムーズにタングトリルを行えるようになると思います。

 

どうしてもできない人

タングトリルは、舌の大きさや長さによって、どうしてもできない人もいます。

 

練習しても「できそうにない」「全くできない」という場合は、個人的には、無理して身につける必要はないと思います。練習方法を練習しては時間の無駄ですし、代わりに、舌を出しながらの発声練習などでも似たような効果が期待できます。

 

タングトリルでの練習方法

基本のトレーニング方法としては、以下の二つがあります。

  1. ピアノや音源に合わせてタングトリルを行うトレーニング
  2. タングトリルだけで歌を歌うトレーニング

他にも、自分に合った形のトレーニング方法を自己工夫してみることもおすすめです。

 

関連

タングトリルの練習用音源ページもあります。音源に困っている方はぜひ活用してみてください。

 

まとめ

タングトリルは「巻き舌の状態で発声練習をするトレーニング」であり、脱力を促進し、発音・滑舌の改善、そして声の息の流れの向上などの効果が期待できます。

 

ただし、これはどんなトレーニングにも言えますが、すぐに劇的な効果が出るわけではありません。ある程度の継続が必要になるので、長期的にコツコツと取り組みましょう。

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